『モダンという時代』

大正から昭和にかけて活躍した土田杏村という多才多面な人物を軸に、内村鑑三北一輝吉野作造三木清中井正一山村暮鳥折口信夫らを論じ,日本近代の特質を探るという趣向の論集。
文章はいわゆる学術論文スタイルで派手さはないが、述べられている事柄は興味深い。とくに第一章の「社会ダーウィニズムに憑かれたモダン」は面白かった。
著者には学生時代に一年だけ習ったことがある。その頃はディルタイフッサール、ガダマーを主に解釈学を講じておられた。お元気そうで何より。