常在戦場

午前中はものすごい雷雨で自宅で本を読んでいた。
昼過ぎから雨が上がったので、高円寺の古書会館にて催された即売会に出かける。
人も本も加齢臭の漂う会場で見つけたのが、高神覚昇『日本精神と仏教』第一書房(昭和十六年刊)。
戦時体制版、と銘打ってあり、発行者による「常在戦場」という勇ましい言葉の躍る刊行の辞に時代を感じさせられる。
さっそく、喫茶店でパラパラと斜め読みしてみる。
聖徳太子を持ち出して仏教と神道の合同を主張するところなど、宗派の違う暁烏敏にも通じる論法で、戦時仏教の特徴と言えるかもしれない。
また、戦後も読まれた『般若心経講義』と重複する文章もあることから、説法のネタ帳があっただろうと予想される。
母性文化論など、河合隼雄氏のものとよく似ている。
夕方まで界隈を少し散歩をする。一時期住んでいた頃とではお店がずいぶんと入れ替わった様子だが街並みはあまり変わらない。
若い頃、よく通った定食屋がそのまま残っているのを懐かしく見たりした。