クロユリ団地

中田秀夫監督作品。DVDで視聴。
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主演の前田敦子が熱演。この女優さんは、アイドル時代のことは「嫌いにならないで下さい」とか言う物真似でしか知らないのだが、ホラー向きだなあ。今後もぜひ活躍していただきたいものだ。
手塚理美朝加真由美の顔が見られたのもうれしい。
ストーリーは、牡丹灯籠なんかでおなじみの結界をめぐる攻防をクライマックスに据えて、そこにヒロインのトラウマを織り込んで哀切さを醸し出している。このジャンルで定評のある監督だけに、怪談ものに定番の材料をうまく組み合わせて過不足がない。新奇さこそないが、よくできた芝居で堪能した。
題材の原型は、現住者に迷惑がかかるのだろうから、このブログでも地名は伏せるが、かつて都内に幽霊団地として噂された団地があった。おそらくあれだろう。
ちなみにロケ地のことではない。ロケ地とされている団地は、実家から近いのでよく知っているが、改築が近いので許可が下りただけだろう。
ところで、実を言うと、子どもが被害者だったり怨霊化したりする怪談はちょっと苦手だ。なんだか嫌な気分になる。
Jホラーで言えば『仄暗い水の底から』(中田秀夫監督)や「トイレの花子さん」の小学校を舞台としたもの、呪怨シリーズ(清水崇監督)の坊やとか、あのあたりは本気で怖いというか、つらさや哀しさの混じった怖さで、後味が悪い。「クロユリ団地」のみのる君もそうだ。高校生あたりの設定なら殺されようが化けて出ようが全然平気なんだが、小学生以下はちょっと辛い。