映画『ゴジラ-1.0』

 妻に連れられて新作ゴジラを観に行った。

 ざっくり言うなら、ウルトラQで始まって前半は昭和の朝ドラ、中盤はプロジェクトX、クライマックスは宮崎アニメの実写、ラストはよし。

 ヒロイン典子役の浜辺美波の演技は素晴らしいもので将来の大女優の片鱗をのぞかせた。ちょっと吉永小百合に似ていないか? 子役ちゃんもかわいい。中盤は船長役の佐々木蔵之介が大活躍。クライマックスでは青木崇高が重要な……、これは言わないでおこう。

 よくできた映画で最初から最後までたっぷり楽しめたが、一ヶ所だけ、安藤サクラ演じる世話好きな隣家のおかみさんの最初のシーンのセリフに、昭和の人なら言わないだろうなと思う言い回しがあって気になったが忘れてしまった。忘れるくらいだから、まあいいか。

 浜辺美波が演じた大石典子は存命なら老母93と同年輩。娘明子は70歳くらいだろうか。欲を言えば、あの二人のその後を1カット挟んで欲しかった。例えば、復興された1970年代の銀座を闊歩する成長した明子を浜辺の二役で、とか。しかし、それは観客の想像力に委ねられるべきことか。

ゴジラ-1.0