桜姫

妻の留守をねらってDVDで映画鑑賞。
けっこう面白かった。
なんだかあまりよい評判を目にしないが、これはこれでありなんじゃないのか?

桜姫 [DVD]

桜姫 [DVD]

鶴屋南北桜姫東文章』の、かなり自由な翻案で、複雑なストーリーは大幅に圧縮されているが、エログロナンセンスな世界は確かに南北的。
主演の二人は知らない役者さんだったが、なかなかの熱演。日南響子はお姫さまっぽさだけでなく、遊女に身を落としてでも好きな男に会いたいという一途さ(愚かさ)がよく出ていたし、青木崇高の色悪ぶりもよかった。
脇を固めるのは、遊女役で麻美ゆま、桜姫の琴の師匠役で風祭ゆき、遊女屋の亭主宅悦に徳井優、怪僧清玄にでんでん、この面々の怪演ぶりが楽しい。
難を言えば、前半の濡れ場がやや悠長な気味がある。もちろんモデル出身の日南の美しいプロポーションを見せたいという演出意図はわかる。それはわかるが、お色気では麻美ゆまにかなわない。
本作の見せ場は、むしろ中盤から、日南と麻美の格闘シーン、でんでんによる清玄大暴れ、徳井優のコミカル、青木崇高のアクションと盛りだくさん。
桜姫の遊女屋での同僚役には麻美ゆまの他に、平間美貴、星野あかり、七海なな、マリエム•マサリ。平間によるシュールな楽屋落ち、星野と七海の芝居のうまさが印象に残った。