ベストセラーとなった『靖国問題 (ちくま新書)』の続編という性格(本書の一、二章は前著の発展的要約)もあるが、靖国神社という一宗教法人をめぐる問題に集中して論じた前著から一転して、海外のケースについても触れるなど議論の幅を広げ、さらなる新境地をも打ちだしている点で、内容的には前著を上まわるものだと私は思う。
- 作者: 高橋哲哉
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2005/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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著者については、その政治的スタンスについて好悪がハッキリ分かれるだろうが、その広い目配りと問題についての綿密な分析、自らにごまかしを許さずどこまでも突きつめていく思惟のありようという点では当代一といってもよいのではないか。賛否はさておき、まず、読んでから批判せよ、とはこの人のためにある言葉である。