ここ数日検討してきた教育基本法改正案与党案要綱については、前文と「2 教育の目標」三にある「公共の精神」なる代物についても気になりますが、なにせ私は社会思想の方面にはうといもので、「公共の精神」という言葉が何を指すのかがピンと来ません。読売新聞は「公共心」と呼んでいるようですが、精神といい、心といい、誰の精神であり心なのでしょうか。
前文では、

 この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進すること。

「2 教育の目標」では、

 三 正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。

となっています。
これが公共的な事柄についての関心という意味であるなら、それは社会の構成員に期待されることとしてわかるのですが、この与党案要綱を読む限り、「公共」というものに「精神」があって、それを尊んだり基づいたりすることとイメージされているように思えるのです。
よくわからないものについては少し回り道をしながらでもゆっくり考えることにします。