原ファシズムの特徴8 resistentialism

以下、『永遠のファシズム』より写経。
なお、この抜き書きの副題はid:kurahitoさんのブックマーク・コメントから拝借しております。kurahitoさんいつもありがとうございます。

 8 信奉者は、敵のこれ見よがしの豊かさや力に屈辱を覚えるにちがいありません。私が子どものころ、イギリス人は「日に五食の大食漢」だと教え込まれたものです。節制している貧しいイタリア人より食事の回数が多いというわけです。ユダヤ人は裕福で、密かに張りめぐらせた相互援助網のおかげで、たがいに助け合っているとされます。それでも信奉者は、敵を打ち負かすことができるのだと思い込まなければなりません。こうして絶えずレトリックの調子を変えることで、「敵は強すぎたりも弱すぎたりもする」わけです。さまざまなファシズムがきまって戦争に敗北する運命にあるのは、敵の力を客観的に把握する能力が体質的に欠如しているからなのです。
エーコ、前掲書、p53-p54

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