メルロ=ポンティの癒合的形態

猿虎さんのご論文に勝手に注。
http://d.hatena.ne.jp/zarudora/20090402/1238695509
メルロ=ポンティは『行動の構造』において、行動を「癒合的」、「可換的」、「象徴的」の三つの形態に分類できるとして、癒合的形態については次のように規定している。

この水準では行動は、あるいは状況の或る抽象的側面に、あるいはきわめて特殊な刺激の或る複合体に結びつく。いずれにしても、行動は自然的条件の枠のなかに閉じこめられており、未知の状況は、初めからそれに定められている生活状況への暗示としてしか扱われない。(メルロ=ポンティ『行動の構造』邦訳p162)

メルロ=ポンティの挙げている例はアリであったりガマであったりなので、動物の本能的行動と言ってもさしつかえないようにも思うが、この分類の基準は「行動の構造が内容のなかに埋没しているか、反対に内容から現れ出て、ついには活動の固有の主題になっているかどうかに応じて」であって、「癒合的」、「可換的」、「象徴的」の三つの水準は人間を含むすべての動物の行動について言われている。

宿題としてメモ

いま、引用して気づいたけれど、「活動」って何なのだろう?
邦訳ではcomportementが「行動」、actionが「行為」と訳されているけれど、「活動」って気にしなかったな。勘ぐりすぎか。訳文を調えるためにたまたま選んだだけかもしれないし。
原書が手元にないし、いまは忙しいので、宿題としてメモ。