今週の「赤龍王」あるいは「首相は劉邦」なら

こんなニュースが出ていたので、少し憂さ晴らし。
「首相は劉邦」と前原国交相
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100312/plc1003121753016-n1.htm

前原誠司国土交通省は12日の記者会見で、鳩山由紀夫首相の指導力を問われ、中国・秦時代の武将、劉邦の名を挙げ「首相は人の話を聞いて、まとめていく『劉邦タイプ』だ。その意味ではリーダーシップがないとは思わない」と語った。

 劉邦項羽と覇権を争い、序盤は負け続けたが最終的に勝ち、前漢の初代皇帝・高祖となった。内閣支持率下落が続いているが、いずれ盛り返すと言いたかったようだ。

 また前原氏は、圧倒的な優勢を生かせず劉邦に敗れた項羽に言及し、「(首相は)自分でまず目標を掲げて突っ走る項羽タイプではない」と指摘した。では前原氏が思い描く項羽とは一体誰なのか。

産経の記者は『史記』を読んだことがないのか。
前原氏は、現政権与党の一員であるから、敗軍の将、項羽を党内に想定しているはずがない(想定していたら前原氏も産経並み)。
天下を取った劉邦鳩山首相をなぞらえるなら、「圧倒的な優勢を生かせず劉邦に敗れた項羽」とは、麻生前総理のことになる。その場合、小泉氏が始皇帝で、安倍晋三が二世皇帝、福田氏は懐王だろう。
産経としては小沢一郎氏の名前をほのめかしたいのだろうが、それなら項羽ではなく、誰が韓信、彭越で、誰が蕭何、曹参、あるいは張良か、ということを話題にしなければつまらない。
「大臣、それなら韓信はどなたでしょう?」という質問を放てなかったのはいかにもつまらない話だ。
思いつきだが、管氏が蕭何、仙石氏が曹参、枝野氏が張良といったところではないだろうか。
自分の中でいちばんしっくり来るのが、安倍晋三の二世皇帝である。他のキャスティングが思い浮かばない。
もちろん、あくまで「首相は劉邦」なら、という仮定のもとでの遊びである。その生い立ちや人となりが、劉邦鳩山首相とでは違いすぎるので、そもそも成り立たない比較である。