「ホラー映画ベストテン」邦画限定

washburnさんの「ホラー映画ベストテン」に参加したいと思います。
http://d.hatena.ne.jp/washburn1975/20121031
選ぶときの注意として「不純なことは考えない方が楽しく選べます」とありましたが、フン真に受けてなるものかと意地を張り、他のみなさんのリストを眺めたらなんとなく洋画が多いようなので自分のリストからははずすことにしました。
そうしたら、「シャイニング」も「キャリー」も「ヘルハウス」も「エクソシスト」も「ローズマリーの赤ちゃん」も「テナント」も「ぼくのエリ 200歳の少女」も「アザーズ」も「ポゼッション」も「ブレア・ウィッチ・プロジェクト2」も消えてしまい四苦八苦する羽目に。確かに「不純なことは考えない方が楽しく選べます」。

順位

1.東海道四谷怪談中川信夫監督)
2.ハウス(大林宣彦監督)
3.女優霊(中田秀夫監督)
4.怪談(中田秀夫監督)
5.仄暗い水の底から中田秀夫監督)
6.壁男(早川渉監督)
7.トイレの花子さん松岡錠司監督)
8.怪談新耳袋 ノブヒロさん(豊島圭介監督)
9.囁く怨霊(渋谷和行監督)
10.サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜(堤幸彦監督)

各作品に一言

1.東海道四谷怪談中川信夫監督)
四谷怪談は別格。四谷怪談を取り上げたものには近年でも『魔性の夏 四谷怪談より』(蜷川幸雄監督)、『忠臣蔵外伝 四谷怪談』(深作欣二監督)、『嗤う伊右衛門』(蜷川幸雄監督)などがあるが、やっぱりこれがいちばん四谷怪談らしい映画になっているのではないか。
 
2.ハウス(大林宣彦監督)
怖いと言えばこれ。シュールでコミカルな現代お化け屋敷ものだが、怨念とか因縁とかではなくて、妙な明るさがあってそれが怖い。もちろん岸田今日子も怖い。
 
3.女優霊(中田秀夫監督)
同監督の「仄暗い水の底から」も捨て難いというか、ドラマとしてはずっとよくできていると思うが、この映画の幽霊の見せ方がリアル。
 
4.怪談(中田秀夫監督)
仄暗い水の底から」を下げたので、中田監督・黒木瞳主演の作品を残しておきたい。『真景累ヶ淵』の映画化。
 
5.仄暗い水の底から中田秀夫監督)
さんざん迷ったあげく、それなら「仄暗い水の底から」をあげればいいじゃないかと言われればそれまでだと覚悟を決めて。
 
6.壁男(早川渉監督)
「怪談」があるから「奇談」(小松隆志監督)もと思ったが、同じ原作者ならこちら。壁男より堺雅人演じるカメラマンが怖い。
 
7.トイレの花子さん松岡錠司監督)
堤幸彦監督の「新生トイレの花子さん」の方がよりホラー映画らしい出来映えだが、個人的な思い入れがあってこちらをあげる。
 
8.怪談新耳袋 ノブヒロさん(豊島圭介監督)
死んでなけりゃただのストーカーじゃんと言ってしまえばそれまでだが、これも個人的な思い入れがあって外せなかった。平田満内山理名が好演。
 
9.囁く怨霊(渋谷和行監督)
どうしても三輪ひとみ主演作を一本入れたかった。
 
10.サイレン 〜FORBIDDEN SIREN〜(堤幸彦監督)
いつになったら仲間由紀恵が出てくるのかと、つい思ってしまうのが難点。

感想

怪談というのは、本当は百物語みたいに短編で本領を発揮するジャンルだと思うのだけれど、たくさんある「ほんとうにあった怖い話」とか「学校の怪談」とかにまで手を広げるとたいへんなことになるのでやめた。同じ理由で「呪怨」シリーズも外した。
こう、選んでいて思ったのは、ホラー映画、っていうか、僕の中では怪奇映画と言った方がしっくりくるんだけれども、あれって、女優さんに左右されるところが大きいよね。そう思うのは単に僕が助平オヤヂだからなのかもしれないけれど。
四谷怪談なんて、いまだに中川監督作品があがるのは、その後の四谷怪談ものの女優さんがお岩様役にしっくりきていないからではないのかしら。もちろん、みんないい女優さんなんですよ。でも、はまり役という感じがしない。色悪・伊右衛門が主役の芝居という解釈が強すぎて、お岩様役の配役に工夫が足りないのだと思う。「家政婦のミタ」の長女役のお嬢さん、忽那汐里がもう少し芝居の経験を積んだらできると思うんだけれど、そういう映画はやらないかなあ。
上にあげたなかには含まれていないけれど、佐伯日菜子もいいなあ。佐伯日菜子四谷怪談三輪ひとみ皿屋敷、どうしてやらなかったのかなあ。累さん(『死霊解脱物語聞書』の方の)だったら、土屋アンナがいいなあ。
助平オヤヂぶり丸出しじゃ。