怪談会 第3回 「累の會」

妻の温情で、来週の15日金曜日、静岡で開かれる怪談会、第3回 「累の會」に参加できることになった。
三年前、私もお手伝いさせていただいた静岡大学の小二田誠二先生監修『死霊解脱物語聞書―江戸怪談を読む』の出版記念も兼ねたイベントとして始まったものですが、昨年の第二回は所用があって参加できなかったのが残念。
同会の詳細と申込みは下記ブログをご覧ください。
http://kasanenokai.blog.fc2.com/
最初は、小二田先生のご縁につながる物好きが集まった怪しい納涼会みたいな感じで始まったのだけれども、いつのまにか盛大なイベントに発展したようです。
第三回の今年は、『累』(講談社)がヒット中の漫画家・松浦だるまさんや能楽師の安田登さんも出演されるとか。

累(1) (イブニングKC)

累(1) (イブニングKC)

累(2) (イブニングKC)

累(2) (イブニングKC)

累(3) (イブニングKC)

累(3) (イブニングKC)

プログラムを見ると、芝居あり、トークあり、怪談本の即売会ありと盛りだくさんの内容です。
新聞でも紹介されたそうです。
静岡)怪談の主人公「累(かさね)」を演じ、語る会(2014年8月9日03時00分)
http://www.asahi.com/articles/ASG867DZZG86UTPB014.html

 怪談の主人公で、お岩、お菊と並ぶ三大幽霊として知られる累(かさね)の世界を、様々な方法で表現する「累の會(かい)」が15日、静岡市で開かれる。演劇、音楽、漫画などのジャンルの人たちが、怪談の世界を演じ、語る。
 累とは茨城県の寺に伝わる伝説上の女性。嫉妬深い醜婦(しゅうふ)とされ、夫に殺された怨念が一族にたたったが、僧侶の祈念で解脱したとされる。この伝説は歌舞伎や浄瑠璃、落語の怪談噺(ばなし)などの素材に使われてきた。

うれしいことですが、ただこの記事のなかで「累とは茨城県の寺に伝わる伝説上の女性」とあるけれども、これはちょっとおかしい。累さんにまつわる物語は半ば伝説化したものだが、累さん自身は実在の人物である。「茨城県の寺に墓がある江戸時代の女性」とするのが正しい。
もっとも、累さんは極楽往生されているから笑ってお許しなさることでしょう。
茨城で生まれた怪談が静岡で盛り上がるというのもどこか変な感じもするけれども、江戸時代のこととはいえ、実在の人物がかかわっているので地元では遠慮があるのは当然かもしれません。
ともあれ、こうした催しが人の縁で静岡に根付いて、それが新たな伝説を生むきっかけになることもあるかもしれないなどと空想していると、なんとなく楽しい気分になってきます。
まだすこしチケットが残っているそうなので、お盆休みに遊びに行くあてのない方はいかがでしょうか。