アラアラフォー

日曜日は、旧い友人と連れだって文学フリマというものをのぞいてきた。文芸同人誌の即売会というから、自分の学生時代を思い出して、さぞや閑散としているだろうと思っていたら、たいへんな盛況ぶりで驚いた。ブログでお見かけする方のものを主に探してまわったのだが、なにぶん出品も多いし、人も多いしで、あまり見つけられなかった。
ある方に献上するためのお目当ての作品は早々に確保。旧友が他のも見て回りたいというので、会場を一周。「アラザル」という批評誌と、「戦え!9条ちゃん」という良識派の皆さまにはお目にかけられそうにない楽しい小説。以上2冊は商業出版かと見まごうほどにきれいに製本・装幀されたものだが、昔懐かしいホチキス閉じの、いかにも学生同人誌的な「文化と表現」というものもあって、これは可愛らしい売り子のお嬢さんが4冊買えば一冊分値引きというのにひかれて購入(助平オヤジ全開)。
かつてなら漫研エスエフに居たタイプの人たちが多かったのが印象的。
その後、渋谷に場所を移して、夕方まで旧友とおしゃべり。愚痴を聞きあったり、つかめなかった夢の名残を玩んだり。
文学フリマに集っていた若い人の熱気にあてられて、自分たちが文学少年少女だった頃の思い出話に興じていると、いつしか旧友の顔にも絶世の美少女だった面影が帰ってきたような気もするのだが、すぐに話題は血圧や尿酸値、不景気や老親の介護になり、互いに歳をとったとつくづく思う。アラフォーじやなくてアラアラフォーだと笑いあうささやかな同窓会。