万葉歌碑の位置が違う――東京新聞「東京どんぶらこ」調布

今朝の東京新聞朝刊掲載記事「東京どんぶらこ」は調布を取り上げていた。
作家の山下柚実氏が、調布駅前から日活撮影所、多摩川土手、万葉の歌碑を案内していた。多摩川五本松や万葉の歌碑はもう狛江になる。調布・狛江地域は幼時から長く過ごした町なので故郷といってもいいくらい懐かしい。
ところで、このコラムには界隈の名所を紹介するカラーイラストが添えられているのだが、これに間違いを発見した。山下氏のコラムでもふれられている万葉の歌碑が京王多摩川駅のそばに描かれているが、これは違う。
多摩川べりの万葉の歌碑は、五本松付近の狛江市内にある。京王多摩川駅から万葉の歌碑までは歩いていけないことはないが、かなり距離がある。そもそも日活からの方向が逆だ。
あらためて山下氏の文章を読むと、日活撮影所を過ぎて多摩川べり出て河川敷を歩き、多摩川五本松に至ったところで、「ふと『万葉歌碑』という看板を見つけた。河川敷を離れ路地を曲がると、大きな歌碑が私を待っていた」と、ちゃんと書いてある。
このあたりを実際に歩いた人ならわかるだろうが、山下氏の文章は明快で間違えようがない。五本松の位置は正しく描かれているのに、そのすぐそばにある万葉の歌碑の位置が大きく違うのはどうしたことか。
イラストレーターが参考にした資料が間違っていたのか、担当記者がこのあたりの地理に疎いのかは知らないが、ご当地新聞のご当地紹介欄でこれはまずいだろう。
散策に出て迷子になる人がいないといいが。