年明け早々から火の車の稼業と、老親の世話でてんてこまいの毎日。
今日は入院中の老父の見舞いに行く予定だったが、天気が悪いので明日にしたいと老母が言うので、私も休日ということにして、久しぶりにほんとうに休んでいる。
枕元に積んだ本が寝ているうちに崩れて顔にあたって安眠できないので、その整理をしたら、岡本綺堂『三浦老人昔話』が出てきた。
書き出しはこうである。
今から二十年あまりの昔である。なんでも正月の七草すぎの日曜日と記憶してゐる。
「正月の七草すぎの日曜日」といえば、まさに今日ではないか。
少し読み進めると、正月の七草すぎの日曜日に半七老人から紹介された三浦老人の宅を語り手「わたし」が訪ねていくのはその次の日曜日。
その次の日曜日は陰つてゐた。底冷えのする日で、なんだか雪でも運び出してきさうな薄暗い空模様であつたが、
まるで今日の空模様ではないか。
たまたま手に取った本の描写が一致する、こんな偶然もあるものなんだなあ。
いや、ほんとうに雪が降ってきたりしてはたいへんだから、今のうちに買い物に行こう。
- 作者: 岡本綺堂
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2012/06/23
- メディア: 文庫
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