今年の10冊

ふだん読むのは古書店で購入したものの方が多いので、今年の新刊からとなると限られてきてしまう。
以下、順不同で。

暴力の本

カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)

カネと暴力の系譜学 (シリーズ・道徳の系譜)

関連して『社会 (思考のフロンティア)』と『暴力 (思考のフロンティア)』も『暴力批判論 他十篇 (岩波文庫―ベンヤミンの仕事)』つながりで興味深く読んだ。

神の国

神国日本 (ちくま新書)

神国日本 (ちくま新書)

感想はかつて書いた。http://d.hatena.ne.jp/t-hirosaka/20060428#1146193898、関連して『宣長学講義』も。

動物の本

ヒキガエルが可愛くなった。似たような効果を持つ本として『クマムシ?!』もあるが、ヒキガエルには学ぶところが多かった。パンダの写真集はまだ買っていない。

ファシズムがマイブーム

反ファシズムの危機―現代イタリアの修正主義

反ファシズムの危機―現代イタリアの修正主義

永遠のファシズム』とセットで読んだ。同じ関心の圏内で『ナチズム・抵抗運動・戦後教育―「過去の克服」の原風景』も興味深かった。

天命なき者は国を治めるなかれ

中原の虹 第二巻

中原の虹 第二巻

実は今年ほど小説を多く読んだ年は学生時代以来なのだが、そのほとんどがハズレ。この著者はさすがプロフェッショナル。まだ完結していないが、期待通り。

文庫になった

雄羊 (ちくま学芸文庫)

雄羊 (ちくま学芸文庫)

アンチ・オイディプス(下)資本主義と分裂症 (河出文庫)』も文庫になった。デリダドゥルーズが文庫で読めるご時世になったとは。新潮社はフーコーの主著を文庫にする気はないのだろうか。

教育

学校は軍隊に似ている―学校文化史のささやき

学校は軍隊に似ている―学校文化史のささやき

今年は教育関係の本で読んだものは、それこそ挙げていったらキリがないが、シンプルに面白かったのはこの本。

クマのぬいぐるみ

マグヌス

マグヌス

久しぶりにおフランスの現代小説を通読した。クマのぬいぐるみが可愛い。作者はレヴィナスのお弟子さんだそうで、言われてみればなるほどというところもあるが、全体としての印象は浦沢直樹のマンガに似たムードがある(関係ないけれど、『Pluto』の天馬博士が碇ゲンドウだ)。訳文はやや硬いように感じた。フランスでは高校生に評判だというが、日本ではそうならないだろう。

仲間由紀恵ではない

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))

大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302))

面白かった。『レナード現象』に辟易としたあと、しばらくコミック単行本は敬遠していたが、これはよかった。関連して『江戸の懐古 (講談社学術文庫)』。

拍手喝采

「捨て子」たちの民俗学 小泉八雲と柳田國男 (角川選書)

「捨て子」たちの民俗学 小泉八雲と柳田國男 (角川選書)

この本が出たために、今年の10冊を選び直さなければならなくなった。まだ買ったばかりだが、よくぞ小泉八雲に切り込んでくれたと拍手喝采しながら読んでいる。本書に直接関連していないが、現代神話論として『UFOとポストモダン (平凡社新書)』、『テレビの罠―コイズミ現象を読みとく (ちくま新書)』、『スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)』も思い返しながら。