『嘔吐』読み始めました

明日はレノン忌だが、たしかサルトルも同じ年に亡くなったんじゃなかったっけ。
それで、というわけではないが、サルトル『嘔吐』新訳をぼちぼち読んでいる。

嘔吐 新訳

嘔吐 新訳

学生時代には大思想家の小説ということで気負って読んだものだ。その頃には気がつかなかったが、この作品は、怪奇小説の導入にありそうな、ありふれた日常の歯車が狂っていく!的な趣向で書きすすめられていて、読んでいてなかなか面白い。
もっとも、クライマックスは「主人公がマロニエの木の前でゲロをはく」場面のはずなのは知っている。
http://d.hatena.ne.jp/sarutora/20100725/p1
しかし、この作品はオチがわかってしまえば読む気が失せる小説の類ではない。今回はむしろそこに至るプロセスを楽しもうというおおらかな気持ちで読んでいる。
ところで、29頁に「サディックな魔術師」という言葉があるのだが、この意味がわからない。旧訳と対照したいところだが、どこかにいって出てこない。どなたか教えてくださると助かります。