Web評論誌『コーラ』20号

Web評論誌『コーラ』20号が刊行されました。私も駄文を寄せさせてもらっています。
中原紀生さんの論じた井筒俊彦とか白川静のような、ああいう碩学という言葉がしっくりくる学者さんの本って、最近少ないなあ。自分が読んでいないだけかも知れませんが。
寺田操さんのエッセイ「ペンギン/ゴジラ」、とても面白いです。
岡田有生さんの論理的思考力といい、中原さん、寺田さんの文章といい、上手い人と並べられると自分の不甲斐なさが恥ずかしい。

 ■■■Web評論誌『コーラ』20号のご案内■■■

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 ●現代思想を再考する[第2期] 2●
  自由の条件─―今村仁司『排除の構造』から

  岡田有生(コメント:広坂朋信)
  http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/gendaisisou-s2.html
  はじめの頃(『コーラ』16号)に今村仁司の80年代の仕事について書いたことがあったが、そこでは最も有名な著作『排除の構造』については論じることが出来なかった。
  今回は1989年に単行本が出版されたこの本の内容について考え、現在の社会状況との関わりを探ってみたい。(以下、引用文のページ付は1992年出版のちくま学芸文庫版のもの)(以下、Webに続く)

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●連載〈心霊現象の解釈学〉第4回●
  生きている女の幻と心霊研究

  広坂朋信  
  http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/sinrei-5.html
当代一流の科学者たちが認めたのだから心霊現象は証明されたと誇らしげに語る人もいる。その一方で、一流の科学者ですら心霊術師のトリックに引っ掛かったのが嘆かわしいという人もいる。いずれの場合も、科学の役割を過大評価している。
  カントは理論の暴走を経験によってたしなめた。エンゲルスは経験の過信は理論によって正すべきだと提言した。
  この連載コラムの前々回で、私はヘーゲルのメスメリズム評価を検討しながら次のように書いた。 (以下、Webに続く)

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  ●連載:哥とクオリア/ペルソナと哥●
   第24章 存在の風に吹かれて──人和歌のメカニスム?
   http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/uta-24.html
   第25章 存在の風に吹かれて(承前)──人和歌のメカニスム?
   http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/uta-25.html
   第26章 存在の風に吹かれて(附論)──人和歌のメカニスム?
   http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/uta-26.html

  中原紀生
  ■深層意識的言語哲学、二十世紀の神学
  司馬遼太郎との対談で井筒俊彦が語った、古今、新古今の思想的構造の意味論的研究の話題への伏線、その一。
  若松英輔著『井筒俊彦──叡知の哲学』のなかで、もっともすぐれた着想であり業績である(と私には思われる)、白川静の文字学と井筒俊彦の「深層意識的言語哲学」との比較論をとりあげたいと思います。
  まず、二十世紀の言語学について書かれた若松氏の文章を二つ、その言外の拡がりや味わいを含めて丸ごと抜き書きします。(以下、Webに続く)

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  ●連載「新・玩物草紙」●
   ペンギン/ゴジラ

  寺田 操
http://sakura.canvas.ne.jp/spr/lunakb/singanbutusousi-10.html
  コカコーラの缶を投げるとペンギンに変身する。チェス盤から大きな泡がはじけるような音がしてコウモリが生まれる。シロナガスクジラのような銀色の生き物が川で泳ぐ。それらを作るマジックを起こす歯科医院につとめるお姉さんと、チェスの対戦相手である小学四年のアオヤマ君の物語が、森見登美彦ペンギン・ハイウェイ』(角川文庫・2012・11・25)だ。こんな魅力的なコンビがいたらこの世は何と面白くなるだろう、降りつもる雪のなかに立つ幻のペンギンに挨拶してみた。 (以下、Webに続く)