院内感染?

認知症で入院していた父が肺炎にかかり、半年間の闘病の末にこの七月に亡くなった。
ささやかな葬儀をなんとかすますこともできて、ホッと一息ついたのもつかの間、今度は老母が倒れて入院。リハビリも順調にすませていよいよ明日は退院、これで昨年の十一月ごろから続いていた老親介護の狂想曲にいったんは休止符が打てるものと期待していたのだが、とんでもない報せが入った。
今日になって、老母と同じ病室に入院していた人が結核を発症していたことが判明。明日、母も検査を受けることになったという。これって院内感染の疑いということだよね。
そう言えば隣のベッドの人がしょっちゅう咳をしていたのは気になっていた。医師も看護師もあれほどいて、呼吸器科の病棟でもないのに咳の止まらない患者を一か月近くも放置していたのか。それでも総合病院か。大学病院か。
無事であることを祈るほかないが、万一のことがあったら、どうしてくれよう。いくら結核に効くよい薬があるといっても、母は87歳の高齢である。風邪をひいただけで、肺炎から多臓器不全というコースをたどることは老父の闘病と死を間近で見てきたからよくわかる。何より、高齢者が肺炎になったら、もうお歳ですからあきらめてくださいと言わんばかりの態度を医師がとることもよく知っている。
今度はもうだまされないぞ。承諾書だの同意書だのにはサインしない。ただただ病気を治してくれと申し入れる。
検査結果がシロだったら、もちろんダッシュで退院させる。
明日が勝負だ。