老父2.19

認知症の急性期に対応するため、老父を専門病院に入院させてもうすぐ三カ月。
昨日は、老母と妻と私と三人で見舞いに行ってきた。
当初の説明では、三か月ほどで落ち着くので、そうしたら他の老人病院か特養かに転院させる、という話だったが、先月中旬から発熱を繰り返し、食事も取れない状態になってしまった。現在、炎症と腎不全で内科病棟、点滴とチューブの流動食で生きている。
見舞いに行くとほとんどぼんやり眠っているが、声をかけると目を覚まし、話の内容もわかるらしく、うなずいたり微笑んだりする。自分が病院に入院していることもわかっている。ただ、のどがかれて声は出せない。
衰弱が激しく点滴を外せない状態になってしまって動かせない。これには病院側も困惑しているようだが、こちらとしても想定外である。正直言って、病院に入って病気が増えるというのはどういうことかと文句の一つも言いたくなる。
食事を与えると、むせて吐き出すので誤嚥による肺炎を心配して点滴と流動食に切り替えたとの説明だが、わがままな親父のことだから、食事の味がまずくて拒んだのかもしれない。
正月明けに自宅に連れ帰っていれば、という思いも時折頭をよぎるのだが、老母も看病疲れで弱ってしまっていて、この頃ようやく少し回復したところなのでそれは無理だったのも確かなこと。
その老母もこのごろ物忘れがひどくなってきている。頼むからいっぺんに二人とも呆けないでくれと祈っているが、同い年(87歳)の夫婦なので、時間の問題かもしれない。
ひたすら困り果てている毎日である。

今日の老父

今日、私一人で見舞いに寄ったら、「おかあさんはどうした」と一言だけだが、声に出していった。看護師さんに様子を聞いたら、今日は少し熱も下がってよく寝ていたとのこと。なんとか持ち直してくれるといいのだが。