原ファシズムの特徴3 activism

以下、『永遠のファシズム』より写経。

 3 非合理主義は<行動のための行動>を崇拝するか否かによっても決まります。行動はそれ自体すばらしいものであり、それゆえ事前にいかなる反省もなしに実行されなければならないというわけです。思考は去勢の一形態とされるのです。したがって<文化>は、批判的態度と同一視される<いかがわしい>ものとされます。ゲッペルスの言葉として伝えられる「<文化>と聞いたとたん、私は拳銃を抜く」という発言から、「インテリの豚野郎」「ラディカル・スノッブ」「大学はコミュニストの巣窟だ」といった頻繁に使われる言い回しにいたるまで、知的世界に対する猜疑心は、いつも原ファシズム特有の兆候です。ファシスト幹部知識人たちは、伝統的諸価値を廃棄した自由主義インテリゲンツィアと近代文明を告発することに、ことさら精力を傾けてきました。
エーコ、前掲書、p50-p51