私は偏っていない?

ある方から教わった高山岩男の発言(「歴史哲学」、1949)。

戦時中の皇国史観は皇国に絶対価値を置く価値的な見方を中心としてゐた。戦後は逆に日本を貶し、日本の行動を凡て過誤とする風の主観的評価に満ちた見方に貫かれてゐる。

つまり、どちらも偏っている、自分こそは中立だ(バランスがとれている、視野が広い、深く考えている、etc)と言いたいのだろう。
けれども、高山岩男といえば、太平洋戦争当時、「近代の超克」座談会で、さんざん吠えた人ではないか。
その人が、敗戦後まもなくの時期に、よくもまあいけしゃあしゃあと、という感じはする。