気分転換

とりあえずプラトンは休止。ちゃんと読んだのは『饗宴』、『国家』、『テアイテトス』くらいだし、それも20年以上前のことですから、すっかり忘れています。また機会を見つけて読み直したいと思いますが、飽きっぽい性格なので気分転換しないと続きません。
というわけで今日は古代中国。もともと老荘は好きで読んでいましたが、数年前に『史記ISBN:4480082018があってすっかりはまってしまいました。
特に活躍した人物の伝記を短くまとめた列伝は短編小説集を読むようであきません。なかでもお気に入りは始皇帝の宰相として天下統一に辣腕を振るった李斯の伝記、李斯列伝。司馬遷の簡潔な文章を読み込んでいくと、貧しい平民の青年が己の才覚だけを頼りにキャリアアップし、頂点に達したと思うやまたたくまに転落していく人生が秦帝国の興亡と重ね合わされるようにドラマチックに描かれています。ちなみに李斯は横山光輝の『史記史記 (8) (ビッグコミックスゴールド)でも魅力的に描かれています。
楚の下級役人だった李斯は、こそこそと逃げ隠れする便所の鼠と悠々と暮らす穀物庫の鼠をみて、人は置かれた環境で変わるものだと考え、一念発起して学問を身につけようとします。若い李斯が師事したのが当時楚に滞在していた儒学者荀子。今日読んだのはこの荀子の教説をまとめた『荀子荀子 下 (岩波文庫 青 208-2)の「天論編」です。