文庫化が待ち遠しい

先日コメント欄で教えてもらった西郷信綱古事記注釈』がたいへん面白く読み耽っています。この読書録で扱っている海幸・山幸の話はもっと後の巻に出てくるようで文庫化が待ち遠しい。「神は人間にとって他者としての力であったのだ」(p99)などという文句はついつい神を擬人化しがちな私をドキリとさせます。古事記注釈〈第1巻〉 (ちくま学芸文庫)
そうは言っても、ついこのあいだ鹿児島を生まれてはじめて訪れて、江戸時代には海運業者であったらしい旧家に伝わる話などを聞かせていただき、隼人族の末裔と結婚した縁に感じ入ったばかりの私としては、海神の助力を受けたホヲリ(山幸)に負けたホデリ(海幸)に人間くささを感じずにはおれません。