こわい童謡

久しぶりの完オフ(といってもただの日曜日)。
レンタルDVDでホラー映画を鑑賞。
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怪事件の当事者の視点から事件発生を描く「表の章」と、時間をおいて事件を検証しようとするテレビクルーが真相に迫る「裏の章」に分かれている。
「表の章」を見終わった時点で実行犯の見当がついてしまった。私がとりわけ推理力があるのではなく、他にありえないだろうというレベル。
問題は「裏の章」。一所懸命に鑑賞者の推理をミスリードしようとしているのはわかるのだが…、というより、それがわかってしまうところがダメ。
音響分析という「科学」の力で謎を解くという趣向だが、実際には分析者(安めぐみ)の感情移入的解釈が真相解明への糸口となる。この流れ自体はむしろ妥当だが、いちいち予想の範囲内の方向に展開されていくので意外性がない。
オチも含めて、よくある話だよね、と感じてしまった。
定番のストーリーも、使いようによっては観客に事件の必然性を感じさせることもできただろうに、演出がダメ。各場面ともとてもチープな印象でがっかり。これは役者のせいではない。
「表の章」合唱部先生役の霧島れいかが好演。

追記

ストーリーについてボロクソに言ったけれども、ただ、ちょっと面白かったのは、童謡が呪いの歌であるとともに、呪いを断ち切る力も持っているとされていたこと。
我田引水かもしれないけれども、ベンヤミンカフカ論において、童話や歌を神話的暴力に対抗するものとしてあげていたことを思い出した。
http://d.hatena.ne.jp/t-hirosaka/20090430/1241089683
「不十分な、どころか、子どもっぽい手段でさえが、救いに役立つことがある」。