絶対に捨てないぞ。

出かける直前なので、走り書きしかできないが、児童ポルノ禁止法改正案について、自民と民主が手打ちをしたらしいというニュースを読んだ。毎日新聞朝刊。
今年の初めに引っ越しをした際、学生時代に買ったらしい古い漫画雑誌が出てきた。今現物が出てこないが、懐かしくて捨てなかったはずだ。その中には、吾妻ひでお氏のロリコン漫画作品も掲載されていたと思う。
その他、古雑誌をていねいに見れば、撮影当時18才未満のモデルの半裸の写真くらいは出てくるだろう。
絶対に捨てないぞ。
写真や実写映像が、被写体の人権を保護する上で問題だというのはわかる。現行法はその観点から制定されたものだと記憶している。
リアルな殺人シーンを表現したいからといって、本当に人を殺してはならないのと同じことだ。それはよくわかる。
だが、今回の法改正案については、何か胡散臭いものが感じられてならない。
今さら表明しても手遅れかもしれないが(「「ナチス氏ね」と書き込んだが、何もおこらなかった。」)、何も言わないよりはマシと思って書き付ける。

ちょっと戻れたので追記

胡散臭い、と書いたけれども、ずさんに感じる、という方が近いかもしれない。
臓器移植法案にしてもそうだった。あらかじめいろいろ問題があることが指摘されていて、案もいくつも出ていて、それなのに、議員の大多数は、いちばん安直で(だからこそ問題も多い)A案を支持してしまった。
理由は、面倒くさかったからじゃないのか、と勘ぐりたくなる。
もう難しい問題を議論するのはしんどい、医者がそういうなら脳死が人の死でいいよ、乳幼児の自己決定権なんてわかるわけないからいいよ、親が決めれば? みたいな感じ。
だから、今度の児童ポルノ禁止法改正でも、子どもの人権と表現の自由の両立を真剣に考えた人など少ないのではないか。
とにかくロリコンは悪い奴なんだからやっつけてみせればいいや、という意識で物を言っていないか。
18歳という年齢で、性表現における児童/大人の線引きをしているが、女子の結婚年齢は16歳からとなっていなかったか。それとも民法の規定は、親が娘を嫁にやる年齢についてだったのか。
ポルノを映像表現に限定しているが、文章表現はどうでもいいのか。マンガのような創作物も将来的には問題にすると言うなら、文章表現だって問題だろう。そうなれば、大江健三郎村上春樹は発禁になる。『源氏物語』だって危ない。
うかつにも、この問題に注意を払っていなかったので、こんな馬鹿げたことになっているとは気づかなかったのが悔やまれる。