続・絶対捨てないぞ。(児童ポルノ法について)

先日、実にくだらない法案だったのでカッとしたあまり、「絶対捨てないぞ。」と書いたがhttp://d.hatena.ne.jp/t-hirosaka/20090711/1247283345、下記のブログを拝見して、捨てた方がいい場合もあることに気づいた。
http://d.hatena.ne.jp/font-da/20090713/1247443606

いったん記録された児童性虐待の静止画・動画が自由に閲覧できる状態で放置されている現状に対し、なんらかの被害者救済を求めなくてはならない。

この点については、まことにうっかりしていた。それはその通りだ。
ただし、これは被写体が児童かどうかではなく、本人または家族などからの申し立てがあれば誰でも、何歳でもそうすべきだ。
私も蔵書中、撮影・印刷・販売についてモデル本人の了解は到底あるまいと思える性虐待の写真が鑑賞目的で掲載されているものが見つかったら、そのモデルの年齢・性別にかかわらず、その部分を切り取るか塗りつぶすか、出版物ごと廃棄するかしよう。ただし、資料目的での掲載やマンガ・絵画などの創作物に関してはこの限りではない、あっても絶対捨てないぞ。
どうも児童ポルノと言ったときに、想定している児童の年齢によって印象が違ってくるようだ。
私は中高生くらいを想定して、17歳と18歳と19歳の区別なんて写真を見たくらいではわからんぞと思っていたが、font-da氏の文章を読む限りは小学生以下をとくに念頭に置いているように感じられた。一般論として、小学生(やそれ以下の児童)では、自らの身体の性的イメージの物理的記録(記憶ではない)が第三者の手に渡ることによって生じる不利益を考慮せよと要求することなど、確かに無理があるだろう。中高生でも個人差があると思う。それじゃあ成人なら絶対大丈夫かというと、やっぱり多少の個人差はあると思うのだが、それは置いておく。
ともかく、自らの権利侵害について充分に考慮できない児童については法で保護すべきだろう。それが何歳以下で線引きするのが適当なのかは、私にはちょっとよくわからない。民法上の結婚年齢が16歳なのだから、やはり16歳未満あたりが妥当なのかなと思うが、民法の規定だって根拠があるのかわからない。これはもう社会通念とのバランスの問題だろう。つまり、どこまでもあやふやで、恣意的な判断が付け入るスキが大きい、と言わざるをえない。
だから、この問題についての法権力による対応には条件が付けられなければならない。目的はあくまで「被害者救済」に限定する。思いつきや思い込みで捜査したり処罰したりすることが許されてはならない。
単純所持の場合、「児童性虐待の静止画・動画が自由に閲覧できる状態で放置されている現状」が問題なのだから、法権力による対応は「児童性虐待の静止画・動画」の没収にとどめるべきである。
したがって、単純所持にも罰則を設けている現在の改正案についてはやはり反対だ。