鳩山首相は辞任せよ

沖縄の基地移転問題は元の黙阿弥になったようだ。
http://news.nifty.com/cs/domestic/governmentdetail/yomiuri-20100528-01065/1.htm
鳩山首相は「最低でも県外」と言い、かつ五月中に解決できなければ職を辞すると公言していたのだから、辞任すべきである。
万事決着とはいえなくとも、せめて「最低でも県外」という方針の延長線上で、解決の見通しが立ってでもいれば、マスコミがなんと言おうと私は辞任の必要はないと思うが、結局、辺野古ということであれば、これはもういたしかたない。鳩山氏は政権交代を成し遂げたことでもってよしとして、潔く総理の職を辞すべきだろう。
しかし、鳩山氏への批判の一つとして、「できもしないことを言って、沖縄県民を失望させた」というものを見かけるが、これが「できもしないことを言うのが悪い」という意味であれば、これには首をかしげる。現実論ばかり言っていれば安全だろうが、何も変わらない。日本国憲法第九条など、できそうもない約束の典型だ。だから、現実に合わせて変えろ、という声もあるが、私はそれに与しない。
目的とか理想というものは、できないかもしれないからこそ掲げる意義がある。簡単にできそうなことや、すでにそうなりつつある事柄ばかり実行して見せても、それは現状の追認であって、何の意味もない。
だから、できそうもないことを公言して議論を巻き起こした点は評価すべきである。さもなければ「基地は沖縄」という現状に居直っていることのおかしさに、私のような沖縄県外の住人は今まで以上に気付きにくくなってしまっていたことだろう。大騒ぎした揚句に、という非難は当たらないどころか、忘れていたいことを思い出させやがって、という疚しさの裏返しだ。
しかし、それと自らの発言に対する責任とは別である。福島大臣は罷免して自分は続けます、では筋が通らない。ここは辞表を胸に会見に臨むべきだった。
それにしても、記者会見の質疑を見ていて驚いたのは朝日新聞の記者の発言だった。要するに、政治主導が悪いんだ、と朝日の記者は言ったのである。議員があれこれ考えても失敗するだけで、もっと官僚の言うことを聞け、という趣旨の発言をした。朝日新聞というのはいつから官界の代弁者になったのか、という印象を持った。官報なら広告を入れちゃだめじゃないか。
そうか、かつて「赤い」と言われた朝日がソ連に点が甘かったのは、社会主義の理念に共感してのことではなく、エリート主義・官僚主義にシンパシーを感じてのことだったのか。と、嫌味を言いたくなったほどだ。
まあ、マスコミが政権交代の意義を躍起になって否定したがっているのだから、こういう妄想も真実味を帯びるのである。
柄にもなく、政局ネタでうっぷん晴らしをした。あとは賢者がちゃんと論じてくださることだろうから、それを読もう。