内容はほとんど忘れた。ただ老親の世話に忙しくて、あーあ、たまには弟がやってくれてもいいのに、と思ったところで目を覚ました。
弟と言えば、去年の秋、まだ私が父につきそって実家の近所の大学病院に通院させていた頃、帰宅してから父が私の顔をまじまじとながめて「なんだお前か」と驚く。「誰だと思っていたの?」と聞くと、「お前の弟と一緒にいたと思っていた」と答えたのには、こちらが驚いた。
私にも父にも弟はいない。