忙しいのだが

忙しいのだが、あんまり驚いたものだから、この一件だけは書き留めておく。
論座」4月号掲載の佐藤文香氏(慶応大助教授)の論文『フェミニズムに苛立つ「あなた」へ』の書き出しに驚いた。

ジェンダー・フリー性教育バッシング、自治体の男女共同参画条例の揺り戻しなど、バックラッシュが目に見えて激しくなりはじめた頃、私たち、若手のジェンダー研究者はよく冗談まじりに「攻撃にあわないように注意しなくっちゃね」「今はじっと息をひそめておこうね」と言いあったものである。私もしばらくは本気でそうやって「やり過ごそう」と思っていた。(「論座」4月号、p212)

いやー、驚いた。研究者に根性なしが多いのは知っていたが、これほどとは。chikiさんが大活躍してくださっている間に、先生方は「じっと息をひそめて」おられたわけだ。
全部が全部こうではないとは思うが、そして、佐藤助教授の論文もこのあとは弱気を自己批判してめざましいバックラッシュ批判を繰り広げているので、野次馬的立場にあるものがあまり責めるのは酷というものだが…。
ジェンダー・フリー・バッシングの件は、要するに根拠のないバカげた話に振り回されてたまるか、っていうことであって、倫理がどうの、語り口がどうの、立ち位置がどうのというような、若い人好みの難しい話じゃねえんだから、もっとパシッと出来なかったものかなあ。
そんだけ。