カント『純粋理性批判中』超越論的弁証論、第二章純粋理性の二律背反第一節の冒頭の一行を以下のように読んだ。
私たちは、大きく分ければ第一には、悟性と理性との違いに注意しなければならない。
具体的には以下の点である。
・純粋な超越論的な諸概念がそこから発現しうるのは悟性だけであるということ、
・理性はもともといかなる概念をも全然産出しないこと、
・理性は、たかだか悟性概念を、可能的経験が不可避的にこうむる諸制限から解放するだけであること、
・それゆえ理性は、悟性概念を、経験的なものの諸限界を越えて、しかしそれにもかかわらず経験的なものと連結せしめつつ拡張しようとこころみるということ、
以上のことに注意しなければならない。
要するに、悟性と理性との違いに注意しろ、理性は油断すると暴走するから手綱をしっかり握っておれ、ということだった。
悟性と理性の違いについては、『純粋理性批判』の初めにさかのぼって確認すべきことなんだろうが、今、仕事が忙しくてとても手が回らない。
そこで、こずるい手を打った。
参考書を読んでみたのである。
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悟性は判断し、理性は推論する。(p44)
なんという明快さ。
これでわかったことにして、次に進みたいところなのだけれども、直近の仕事を終えたら、すぐに勉強会の予習をしなければならないので、カントはしばらくお休み。