むむむ、三コマか四コマか…

この間、「キングダム」で長々描いていた戦闘シーンは横山「史記」なら三コマ分、という名言を某所で見かけて思わず膝を打った、と書いたが、考えてみると四コマは必要かもしれない。
司馬遷の『史記〈1〉本紀 (ちくま学芸文庫)』では蒙驁の事績として、ちくま学芸文庫の邦訳で三行に満たない、しかも、その文章のほとんどは攻略した地名の列挙で占められている。「史記〈6〉―列伝〈2〉 (ちくま学芸文庫)」では「始皇の五年には、さらに魏を攻めて二十カ城を取り、ここに東郡が置かれた」とあるだけ。
しかし、それでも四コマ必要かもしれないと思ったのはこういうことである。
一コマ目、ト書き「秦は蒙驁を総大将として魏に侵攻した。」横山「三国志黄忠に似た蒙驁と進軍する秦軍の図。
二コマ目、ト書き「魏は白亀西を大将に、客将の廉頗を副将にして迎え撃った。」両軍戦闘の図。
三コマ目、ト書き「しかし、戦い半ばにして魏大将の白亀西が討ち死に。」廉頗と報告する伝令の図。セリフ伝令「たいへんです、白亀西さまが討ち死にされました」、廉頗「むむむ」。
四コマ目、ト書き「副将の廉頗は和議を申し出た。」黄忠、じゃなかった蒙驁に頭を下げる廉頗の図。
と、こんな感じになるのではないかと思うのだがどうだろうか。
きっかり三コマでは、横山マンガ名物「むむむ」の出番がない。
そもそも最初に横山「史記」なら三コマと指摘された賢者の発言も、よく確かめて見たら「横山御大だったら、3コマ位で終了」と含みを持たせた表現だった。
やはり「むむむ」を入れるとすれば四コマ必要である。
実際に横山「史記 (5) (小学館文庫)」でどう描写されているのか気になって読み返してみたところ…、一コマもなかった。
むむむ。