テレビドラマ「都市伝説の女」

テレビドラマ「都市伝説の女」を楽しみに見ているが、主演の長澤まさみの美脚はともかく、都市伝説マニアぶりついてはいらいらしているひともいるかもしれない。最近の噂、古くからの伝説、怪談、昔話、民間信仰などが「都市伝説」の一言でくくられているからだ。
例えば、初回の「将門の首塚」と第4話の「天狗」、前回の「座敷わらし」はれっきとした伝説であって、都市伝説ではない。
第2話の「呪いのダイヤ」 、第6話の「東京タワーの照明」は都市伝説。
第3話の「ドッペルゲンガー」はヨーロッパの民間信仰
第5話の「国会議事堂の幽霊」は、まだ怪談だが、こうして語り継がれていけば伝説になるかもしれない。
このように、違いをいちいち述べたてて定義することもできなくはないが、このドラマはエンタテイメントなのだから、あまり気にせずに美脚鑑賞にいそしんでいる。
私自身は概念とか術語とか用語についてはわりあい無頓着な方だ。
話が通じればそれでいいんじゃないの?と心のどこかで思っている。ドイツ哲学では理性と悟性と知性の区別とか、精神と意識と心(魂)の区別をやかましく言うが、学生時代に読んだベルクソンはそれらの使い分けにはほとんど無頓着で、わかればいいんじゃない?私の言っていることわからないですか?という感じで自由に書いているのを読んで、清々しい思いをしたからだ。ベルクソンにとって概念は、自分の思考を表現するためのものであって、決められた用語ではないからなのだろう。
ただ、テレビドラマでは全部を都市伝説の一語でくくってしまったため、本来の都市伝説のレギュラー陣であるタクシー幽霊や口裂け女が登場しないのは残念だなと思いながら美脚鑑賞にいそしんでいる。