怪談づくしの夏休み

公私ともに忙しい毎日だが、パンクしそうな私を見かねた妻の温情で昨日と一昨日、怪談会づくしの夏休みをとらせてもらった。

「累の會」

一昨日は静岡市で開催された 第3回 「累の會」にでかけた。
第一回の時は、お手伝いした『死霊解脱物語聞書』の出版記念を兼ねていたので、私までがひっぱり出されて、かわいい幽霊ちゃんにおどかされて赤っ恥をかいてきたのだったが、今回は純然たる見物人としての参加なので気が楽だった。
芝居あり音楽ありトークありと盛りだくさんの内容だったが、なかでも能楽師の安田登さんによる夏目漱石夢十夜』の朗読(しかもヴァイオリンと三味線とドラムの演奏をバックに語った)は刺激的だった。
一見、累ヶ淵伝説とは関係なさそうなのだが、「四谷怪談」にも出てくる子どもの霊の憑依というモチーフについて、たいへん考えさせられた。
そして、「イブニング」で連載中の漫画『累』(講談社)の作者・松浦だるまさんのサインももらって、ご満悦で帰って来たのだった。

累(3) (イブニングKC)

累(3) (イブニングKC)

『累』最新刊は会場で買いました。

そして、イラスト入りサイン!
松浦だるまさんは怖い人なのではないかと不安だったが、お会いしてみるととても可愛らしい方で、描いている作品とのギャップに驚いた。
そのまま打ち上げまでお邪魔して一泊、朝のバスで帰ってきた。

哲学堂辻講釈

昨夕は中野の哲学堂で行われた「怪談の夕べ」に出かけて、田辺銀冶の「四谷怪談」、神田山緑の「番町皿屋敷」を聞く。いずれも江戸怪談の代表的な演目だが、講談で聞くのは初めて。実録小説とも歌舞伎とも微妙にストーリーが違う。どう語るのか興味があった。
会場は哲学堂内の小講堂である宇宙館、小さなスペースで講談師の顔を間近に見ながら、はじめての講談を楽しんだ。
いつか「佐倉義民伝」も聞いてみたい。
終了後、講談師・神田山緑さんと少しお話しすることができたのも喜び。
こうして二日間にわたる怪談づくしの私の夏休みが終わった。今日から仕事。明日〆切の仕事が二本もある(泣)。