懺悔(赤い半纏について)

日頃、それはやってはいかんと自分に言い聞かせ、まれには他人様にもご忠告していたことをやってしまった。
思い込み、先入観から、人様の文章の趣旨を誤解したあげくに、さらに自分の思い込みをふくらませてあらぬ憶測を口走ってしまった。
過ちを繰り返さぬようここに懺悔します。
何をやらかしたかというと、samatsuteiさんのブログ「瑣事加減」で、都市伝説「赤い半纏」の伝播を論じておられるのを斜め読みして、内容を誤解したあげく、つまらないコメントをしてしまった。
samatsuteiさん、失礼いたしました。
samatsuteiさんのご論の趣旨は、「赤い半纏」が広まったのは稲川淳二氏の再話がきっかけで、その後、松谷みよ子氏の『現代民話考』などに採録されたのではないか、というものだった。
http://d.hatena.ne.jp/samatsutei/20160115/1452865821
http://d.hatena.ne.jp/samatsutei/20160116/1452954190
その後、稲川氏の語る怪談の内容の変化についても追っておられて、これもたいへん面白い。
http://d.hatena.ne.jp/samatsutei/20160117/1453036964
http://d.hatena.ne.jp/samatsutei/20160118/1453119076
http://d.hatena.ne.jp/samatsutei/20160119/1453212296
samatsuteiさんは文献や音源をていねいにたどって論証されており説得力がある。
ところが、私ときたら、ふつうに読めば論旨をはきちがえる人など誰もいないだろう明晰な文章なのにとんちんかんな方向に連想を向けてしまった。
ずいぶん前に聞かされた伝聞から、稲川氏はお家芸となった怪談のネタをさまざまな文献から拾っているという思いこみがあって、samatsuteiさんが明確に問題を提示しているのにもかかわらず、それがわからない。
samatsuteiさんはきちんと調べて論拠を提示している。
私の方はあやふやな伝聞である。
あやふやとはいえ、この伝聞を信用した理由は私なりにあるのだが、プライベートなことなのでここでは述べられない。
それはともかく、私はたまたま耳にした伝聞から憶測をふくらませ、松谷氏の『現代民話考』あたりが元ネタではないか、そうに決まってるでしょ、と言わんばかりのコメントをした。
samatsuteiさんのご指摘のように「赤い半纏」が書籍などに収録されたのは1980年前後だから、世間話にもラジオやテレビの影響は大いにあったはずで、松谷氏の収集した「現代民話」もその影響をまぬがれないことは、私自身も別の題材で確認したことがあったはずなのに、それにすら思いいたらずこのざまです。我ながら情けない。
実にお恥ずかしいかぎりです。
不明を恥じてコメントを撤回し、あらためて失礼をお詫びいたします。
貴ブログへの私のコメントは撤回いたしますが、samatsuteiさんからこのブログに頂戴したコメントは残しておいてくださいますようお願いいたします。